散歩中。空を見上げていたら、飛行機とヘリコプターが交差するのが見えた。
前を歩いていた親子連れの男の子が「わー、ぶつかっちゃうー!」と、かわいらしい声を上げる。
そこにいた大人達は皆空を仰ぎ、どこか懐かしい気持ちを共有したような想いとなる。


乗り換えのホームで。盲導犬を連れた女性が立っている。
その時、何故だかとても乗り継ぎが悪くて、なかなか来ない電車に女性も盲導犬も不安そうに見えた。
そんな中、女性に声をかけた若い駅員さんは、電車が来るまでの15分間、一度も話が途切れることなく、その女性とにこにこ話しをしていた。
ただそれだけの光景が、なんだか一日中胸に残る。


真夜中に。平日は5時半に起きるので無理だけど、週末だけは勝手を言って夜更かしをする。
ヘッドホンをつけて、ひとり制作と向き合うことの出来る時間。
決して永遠ではない時間の中で、ふと先日感じたあたたかな眼差しを思い出した。
そのあたたかさにどこか抱かれたくなるような…内側から込み上げてくる、このうっとりとした寂しい気持ち。
そんな想いを大切にしながら、わたしは貴方に手紙を書くように作品をつくる。