撮影で図書館へ行く。普段入る事の出来ない図書館の裏側は、忍者屋敷のようだった。きっと、この建物の古さがそう感じさせるのだろうな。
御堂筋を南下して行くと、歩いている内は暑く感じられるのに、立ち止まると寒い。マフラーを巻いたり外したり。
逃走劇の末に犯人が捕らえられるドラマのような瞬間に遭遇し、その男の顔をどきどきしながら見たが、あっけらかんとした表情をしていた。
帰りの阪急電車では、たまげる程の夕焼け空を見た。電車を降りたくなったが、もう三宮が目の前だった。
鼻炎が酷くて鼻水を啜っていたわたしは、頭がぽーっとしていて涙が出そう。
前の座席に並んで座っているお利口そうな男子中学生達は、チョコボールを分け合いながら朗らかに笑っている。
くるりの「ハローグッバイ」が聴きたいなァ…と思う。
夕飯に、手紙に書かれてあった献立を真似して作ってみたら、美味しくて彼の名前を呼びたくなった。
どんどん鼻炎は酷くなっていく。耳の裏が熱くなってくる。寒くて、マフラーを二重に巻く。
わたしは、風邪をひいたみたい。


と思ったら、次の朝にはけろっとしていた。