2008-01-01から1年間の記事一覧

大晦日。我が家は今年最後のお客様を迎えます。 彼女は駅に降り立った時からよくにこにこと笑い、 何度もわたしにカメラを向けてはシャッターを切ってくれます。 駅から家へと向かう道すがらでは、お屋敷のどんちゃん(おそらく柴犬)を紹介し、 心臓破りの…

昼。インターホンが鳴り、大きな一通の封筒が届きます。 その中には、『モンロースマイル』という名の写真集と一枚の手紙。 手紙にはこう書かれてありました。 「今年中にめろんちゃんに『モンロースマイル』を届けたかった」 それは一つの懐かしいラブレタ…

「今なら、もれなく僕の手はあたたかいです」 帰り道、上着のポケットに手を入れていたシゲルさんが言いました。 寒さにばかり気を取られていたわたしはその言葉にハッとして、 そっとあたたかなポケットに冷えた手のひらをお邪魔させました。 来年もふたり…

merry christmas, all.

シゲルさんもわたしも共に大好きな方から、 来年のカレンダーをいただきました。 さっそく、昨年もいただいた2008年のカレンダーと並べて飾っています。 この季節感がたまらなく好きだなぁ。年々、そう思います。 今年もお世話になり、ありがとうございまし…

奈須くんが我が家へやって来てくれました。 朝から晩ごはんの準備に取りかかり、午後からやって来る奈須くんを待ちます。 今日は本当にいいお天気。 お台所の窓から差し込んでくる光が野菜をきらきらと照らしていて、 その様子を眺めていると気持ちがたおや…

ケーキを焼きたいので、 ささやかな事もお祝いします。

その人は、茶色のコーデュロイパンツに、ライダースを羽織っていました。 あと、シゲルさんにはあまり似合わなさそうなかわいらしいニット帽に、 鮮やかなオレンジ色の巻物。 綺麗な笑顔と整った爪が印象的で、その人を初めて見かけたのは、 実はシゲルさん…

京都に新設されたタカ・イシイギャラリーへ、 法貴信也さんの展覧会を観に行って来ました。 幾つもの線が折り重なって出来上がった画面の中に、 まるで宝探しでもしているみたいに浮かび上がってくる様々な生き物や植物。 一見、それらに目を奪われがちには…

シゲルさんのお母様から、わたし宛にお手紙が届きます。 特別な言葉などはありませんでしたが、 それは後ろめたい程に優しくて、頬がひたひたとしていくのがわかりました。 帰って来たシゲルさんに手紙が届いた事を話すと、こう言います。 「手紙?」 「うん…

holiday before after outside moon winter light

まゆみちゃんが選んでくれたという、観葉植物のバロック。 一枚一枚カールした葉が珍しく、包みを開いた時に驚きました。 このくるくるとした形がなんともかわいらしくて、 シゲルさん共々すぐにお気に入りとなったのです。 緑を贈ろうと思ってくれた、まゆ…

スペシャルウィーク、二日目。 今日は雨の中、とっきーとまゆみちゃんが遊びに来てくれました。 決して便利な土地ではない我が家へ遊びに来てくれた事が嬉しくて、 今日も朝から二人のためにごはんを作りました。 あまり時間がなかったので、どれも簡単なも…

わたしのお料理番長、パン屋のえみちゃんが遊びに来てくれました。 いつもいつも美味しいお料理をご馳走になってばかりいましたから、 はじめてのおもてなしに胸がわくわくとしていました。 昨晩から下ごしらえをし、 ほうれん草のキッシュ、 ブロッコリーと…

わたしの眉間の皺を シゲルさんはそっと指で直しながら、こう言いました。 「大丈夫。大丈夫だよ、ミナコ」 ひとつの辛い出来事が、 またわたし達の愛を深めていきます。

朝は八時までゆっくりと眠り、一緒にベッドから起き出します。 トーストしたコム・シノワのパンをかじりながら、 窓外の激しい雨と風の様子をぼんやりと眺めます。 Ben Foldsを聴きながら掃除をしている間、 シゲルさんはパソコンを触っています。 昨晩の水…

ブラウンの美しい曲線を持つ携帯電話のアラームが鳴るよりも、 一時間半前に起きます。 起こしてはいけない…と、 真っ暗な部屋の中でそっとベッドから出ようとしますが難しく、 引き止められる事があります。 その瞬間、先程よりもうんと毛布があたたかみを…

此処へ引っ越して来て良かったな、 そう思える場所の一つ。

誰かのせいにしたいよ。

ずっと朗らかに笑っている女の子は、 別れ際に袋に入ったパンとリンゴを手渡してくれました。 その組み合わせがなんともかわいらしくて、 帰りの電車の中でわたしはとても満たされた気持ちでいました。 電車の揺れに合わせて、時折ふと鞄の中から甘い香りが…

どんどんどんどん、勝手にわたしはいとおしい。 教えて下さい、こんな時はいったいどうしたらいいのでしょう。 今日、コップを一つ割りました。 強い木枯らしが吹いて、明日から十二月が始まります。

ずっとふたりでいたはずなのに、本当は一人でした。 どうして一番はいつでも誰かのものなのでしょう。

京都まで紅葉を見に行って来ました。 写真はシゲルさんが撮ってくれた一枚です。 今日のお弁当は生ハムとクリームチーズのトーストサンド。 あたたかいキャラメルマキアートもたっぷりと水筒に容れて行きます。 しかしながら、もう屋外でのお弁当には随分と…

部屋に花を飾りたいと、いつも思います。 ただ残念な事は、まだ近くに花屋を見つけられない事です。 年々、花の楽しみが増えていくのは、どうしてでしょうか。 ここへ越して来たとき、家の近くには沢山のコスモスが咲いていました。 どうした事か、この秋は…

今日はこんな事がありました。 我が家にとあるギャラリーから展覧会の案内状が届きます。 面識もない見知らぬ作家の方でしたが、その展覧会につけられていたタイトルが 偶然にもわたし達の住むハイツと同じ名前だったのです。 そこに書かれたステートメント…

欠けた器を自分たちで直そうと思いました。 五条坂の陶器市で購入した、若手の作家さんのものです。 使用前にきちんと米のとぎ汁で目止めをしましたが、 毎日毎日使っているうちに、少しずつ欠けてくるようになりました。 シゲルさんは本を開いて、修復の手…

朝起きて、蜂蜜に漬けておいた豚肉を揚げます。シゲルさんは自転車を走らせて食パンを買いに行ってくれます。川上弘美さんのエッセイにはカツサンドの話があって、そのページに書かれた“箱いっぱいの、カツサンド。”というその言葉を辿っただけで、なんとも…

まだまだ暑かった、夏の終わりの月曜日。 食事のこと。 愛する調理器具たち。 光に照らされた緑。 koosの靴。 大好きな人。

島尾伸三さんの写真展、『生活』。 この展覧会を観て、救われたように思えました。 ただ残念なのは、ああいった写真をわたしには撮る事が出来ないのだと気づいた事です。 穏やかさも優しさも、わたしにはありませんでした。

ふと楽器の音が聞こえてくるのは、とてもいい事だと思います。 この曲はサニーデイ・サービスの『恋人の部屋』かな… 炊事をしながら、わたしは思います。 ただ、全く弾けていないのですけれど。