美容院へ行く。
パーマネントウェーブがまだ残っていたので、ストレートパーマと毛染めをしたら、四時間以上かかった。
一年の内に美容院へ行く事は二度程しかなく、それも個展前であったり友人の結婚式前であったり…いつも、何かしら気鋭がいる。
あ。あと、未だに恋が終わった時にも、美容院へ行く。
「結婚後の主婦みたいなペースやね」と、母が言う。
髪の事とか、洋服の事とか、お化粧の事とか…やっぱり幾つになっても、ちょっと苦手だ。
川上弘美さんのエッセイにもそういった事が書かれてあった気がするが、どのエッセイだったかが思い出せない。
夜は、ずっと写真展の案内状を書いている。けれど、全然追いつかない。
もう始まってしまうのだが、始まってしまっても、最後まで書こうと思っている。
昨日はみどりんごのブログを見ていたら、少し泣きたくなった。
「窓の小さい部屋に住んでいる人はめろんさんの写真を飾れば窓が沢山になるのになぁ〜」。そんな事を、わたしの写真に思ってくれているのだ。
えみちゃんから届いた手紙には「一日50時間くらい、ミナコちゃんにあげたいよ」と、春風みたいな字で書かれてあった。一日50時間あったら、たぶん二十四時間くらい寝ちゃうのだろうなぁ…と思ったけれど、いとおしくてえみちゃんを抱きしめたかった。
携帯電話は、懐かしい人からのメールを受信する。「東京来て下さい。I'm waiting for the dayばりに、あなたに会えるのを待っています」。「来年行きます。会いに行きます」と、返信をする。
秋だからか、空が青いからか…わからないが、いつも以上に、しみじみとする。
近所の柿の木がたわわに実をつけていて、サザエさんとこのカツオみたいになりたくなる。公園に落ちた赤く乾いた桜の葉を見ていると、焼き芋を焼きたくなる。百貨店に秋刀魚の柿の葉寿司を買いに行こうとも思っている。これが食欲の秋というものか。
さっき、電話があった。
四分間だけの電話だった。
「元気を下さい」と、やわらかい声が言っていた。
曽我部恵一の「東京 2006 冬」を聴いて、くしゃみをしては鼻水を啜る。
目に涙がたまってくる。鼻炎のせいだ。
これが秋の夜長というものだな。