ずっと朗らかに笑っている女の子は、
別れ際に袋に入ったパンとリンゴを手渡してくれました。
その組み合わせがなんともかわいらしくて、
帰りの電車の中でわたしはとても満たされた気持ちでいました。
電車の揺れに合わせて、時折ふと鞄の中から甘い香りがこぼれます。
うちまで帰り着き、さっそく鞄の中のリンゴに包丁を入れました。
じゅっとまな板の上に蜜がこぼれ、指先に香りが移っていきます。
残りのもう一つは明日のお夕飯でサツマイモと煮よう…
暫く塩水に漬けたリンゴをシャリシャリと頬張りながら思います。
わたしは知らなかった、京都のSIZUYAのパン。
今日のお昼ごはんにトースターで軽く焼いてからいただくと、
ビックリする程芳ばしくて、あぁ嬉しいなぁ…と
優しい彼女の笑顔が浮かびました。
むっちゃん、どうもありがとう。


そして、今日はもう一つ嬉しい事がありました。
昨晩、冷凍しておいたイカでフライ(のようなもの)を作り、
先日シゲルさんのご両親が送って下さった食材を使い切りました。
届いたばかりのダンボールは、シゲルさんを想って、またその先にわたしを想って、
食材を詰めて下さった事が伝わってくる重みのある箱でした。
それが、今日またもう一つ届いたのです。
先月送っていただいたばかりなのに、
驚き、なんとも申し訳ないような…
それでもとても嬉しい心持ちになります。
今夜の献立は変更。
この中に詰まった魚や野菜で、またシゲルさんに喜んでもらえるよう
料理を始めたいと思います。


シゲルさんはこれを見て、きっとまたこう言うでしょう。
「最近、ミナコのブログは食べ物か僕の写真ばかりだね」
そう、つくづくわたしの写真は暮らしなのだなと感じます。
何を撮るかではなくて、今どう生きているか。
にしても、食べ物の写真を撮るのは上手くないのですけれど…


今日もわたし達は色々な人の優しさに生かされています。