近頃の朝の会話はもっぱら我が家にやって来た胡蝶蘭の話で、シゲルさんとわたしはこの家に似合わなさ過ぎな可憐な花に暫し見とれています。
やわらかく朝の光を受けている胡蝶蘭は驚く程に白くきらきらとしていて、その存在感には圧倒的な強さがあるのです。それはなんだかジョージア・オキーフが描いた花の絵のように。
「昨日調べたら、水やりは十日に一回くらいでいいんだって」
「三ヶ月くらい咲いてるみたいだよ」
「なんかよく出来た彼女みたいだね」
この花はここに選ばれて来たのですから、大切にしないわけにはいきません。