(写真は制作途中のシゲルさんの絵)
先日の休日。シゲルさんの息抜きもかねて、夕方頃にスーパーマーケットへ出かけた。
帰り道ではいつでもすっかり夕暮れで、空がどこまでも広く秋めいていたのを見たシゲルさんが「これだけで生きててよかったなぁって思うよねぇ」などと言う。
わたしは両手に抱えた買い物袋のバランスの悪さに心地を損ないながら「そうかぁ?」なんて適当に返事をし、相変わらずきまりが悪い感じでもそもそと歩いていく。
それから。夜になってシゲルさんがアトリエで制作している音をかすかに耳にしながら、居間で日記をつけていると途端に気持ちが込み上げた。
あの時の言葉とシゲルさんの心の強さ。
悲しくない人なんていない。
それでもそうだと口にせずに、背筋が伸びるように上へと向こうとしている気持ち。
出会った頃から感じている、シゲルさんの辛抱強さ。
わかっているつもりではいても、結構わたしは見落としてしまっている…
そんなことを感じて。