ここに越して来て、はじめての雪。
近所のお気に入りの犬はいつも軒先でのんびりとしているのに、今日ばっかりは寝床であろうガレージからひょっこりと顔をのぞかせていた。
わたしは「冬が寒くって 本当に良かった〜」などと歌いながら、何枚も写真を撮るので、駅までの道程がいつもよりうんと長い。
シゲルさんは朗らかに、まだ真っ白な雪の上に足跡をつけたりしている。
予定していた電車には結局乗れずに、ゆっくりと都会へ向かうと、やがて雪もなくなった。