シゲルさんがコーヒーをドリップしてくれている間に、引き出物で頂いたバームクーヘンを切り分ける。
コーヒーが香って、好きな音楽が流れる、穏やかな午後の時間。
わたし達ふたりは決して裕福ではないけれど、こうして毎日美味しいものが食べられるのは、色々な人に支えてもらっているからということと、お台所の神様のおかげやって本気で思っています。
だから今夜もお台所を隅々まで磨いて、ただ漠然と「ありがとう」と言う。
ここへ越して来て、毎日していることの一つです。
なんだかトイレの神様みたいなのだけど。。。
高価じゃなくても、華やかじゃなくても、シゲルさんと一緒で豊かなことが一番嬉しい。
それはとても弱々しいけれど、それでも、守りたいものは揺るぎない。