シゲルさんと映画『ル・ア−ヴルの靴みがき』(2011年/フィンランド、フランス、ドイツ/監督:アキ・カウリスマキ)。
アキ・カウリスマキの作品がはじめてだったシゲルさんは、あの独特なテンポについて行けず、始まってものの五分でグッナイ☆
(シゲルさんは小津安二郎が好きなのに、アキ・カウリスマキの間は駄目らしい)
そして。エンドロールも終わり、劇場の照明が明るくなった中、号泣しているわたしを見て仰天したのだった。
あのギャグみたいなテンポの中、どこに泣けてきたのかと。
ヨーロッパが抱える難民問題を、みんな嘘みたいにいい人で、ファンタジーのように描いたカウリスマキの想いに、わたしはどっと泣いた。
そして、犬を飼ったら、もう名前は「おあげ」と決めてあるのに、「ライカ」も悪くないなと、単純なのですぐ思う。
貧しくても夫婦と犬一匹で幸せに暮らし、信じられないくらい誰かに優しい。
『ル・ア−ヴルの靴みがき』は、なんでもないけれど、それでも奇跡のような映画でした。