岡本英理さま


引っ越しのお祝いと結婚のお祝いとニューヨークのお土産が届きました。
いつも沢山の贈り物をありがとう。
英理ちゃんとわたしがキャノン写真新世紀で出会って、もう十年以上が経つのですね。
歳が近かったことから搬入の時にすぐに仲良くなって、わたしは東京うまれ東京育ちの英理ちゃんが眩しくて本当に刺激的でした。
その後、東京で暮らした一年もずっと気にかけてくれ、しんどくなって関西へ帰ったわたしに常にポジティブな言葉をかけてくれましたね。
めろんちゃんは性格が悪いから」と底抜けに愛してくれ、わたしはそんな英理ちゃんに甘えてばかりいました。
互いに歳を重ね、英理ちゃんは着実に写真での仕事でキャリアを上げて、その名前をメディアで見かける度に、嬉しい気持ちと、誇らしい想いと、なんだか矛盾した嫉妬感を抱いて、もうずっと遠いところにいる人のように思っていたのです。
それでも。英理ちゃんはこうしてわたしに贈り物を届けることを止めない。
わたしが「忙しいのに、もう気を遣わなくてもいいよ」とプレゼントを止めても、決まってわたしの誕生日になると贈り物を届けてくれました。
英理ちゃんのその優しさに、わたしはいつも自分のネガティブさにお灸を据えられたような心持ちになるのです。
同じように十代で写真家を志した少女二人が、今はこうして離れた街で全くかけ離れた人生をおくっている。
何もかもいまだに冴えないわたしだけれど、でも、これだけは言えます。
貴女と出会っていなければ、わたしの人生は確実に変わっていました。
貴女が教えてくれたもの、貴女と見た世界、貴女と味わった想い…
英理ちゃんは、わたしの永遠です。
ありがとう。


追伸:ところで。いただいた砂時計の五分計が使えません。パーフェクトティータイマーがパーフェクトじゃないところ、ちょっと運命感じます。


吉田めろん