わたしが「行こう」と誘い、いまいちピンときていないシゲルさんを連れて、東京都美術館で『メトロポリタン美術館展』。
五年前のニューヨークで観られなかったホッパーの『夜明けの灯台』を観るため。
しかしながら美術館を出る頃にはフランソワ・ポンポンの『白熊』に夢中で(作品もラブリーやのに、名前がフランソワ・ポンポンって…フランソワでも充分やのに、ポンポンって!)、物販コーナーでシゲルさんにポンポンTシャツを「買っちゃえー買っちゃえー」と促していた。
それから六本木へ移って、森美術館で『会田誠展』。
これがわたしは駄目で、どんどんと体調が悪くなり途中の展示室で離脱。
ヒルズの広場で開催されていたクリスマスマーケットのベンチに座って、一時間ほどシゲルさんをぼんやりと待つこととなる。
マーケットの屋台を適当に眺めながら、東京の人達は並ぶのが得意だな…とか、ソーセージの値段高いな…(1本600円)とか思いながら。
わたしのことを心配する気配ゼロのシゲルさんがやっと美術館から降りて来て、今回の東京はこれでおしまい。
途中で体調が悪くなり、待っている間に身体が冷えて、なんだかズタボロになりながら東京駅に向かったけれど、最後はえみちゃんの旦那さんが、今回仕事で会えなかったえみちゃんがわたし達のために焼いてくれたお菓子を届けてくれ、受け取ったそのずっしりとした焼き菓子の重みに元気を取り戻していくのを感じた。
新幹線の車内では見事な夕暮れをあっという間に追い越して、相変わらずずっと眠っているシゲルさんの横で群青色の富士を仰ぐ。
家に帰り着き、冷えっぱなしだった身体を風呂であたためながら、この古くて黴くさい我が家の風呂をいとおしく、有り難く思う。
さっぱりした気分で風呂から上がり、「あったかいミロでも飲んじゃおうかしらね」などと思っていると、居間ではここ数日の過密スケジュールで今度はシゲルさんがズタボロとなっていた…。アラフォーやしね。。。