12月の中頃。原因のわからない足の腫れと痛みに、自由に外出することも出来なくなって、気分ガタ落ち。
しょげながら一日の大半を過ごし、痛みに眠れず、毎日めそめそと泣いていた。
そんなある日、シゲルさんは言う。
「ミナちゃんの本厄は、これで全部おしまい。足が治る頃には、また楽しいことが待っているから」。
その言葉にはっとして、気持ちを正し、二日おきに病院で様子を看てもらい、切開した跡は少し残ってしまったけれど一週間と少しで無事に完治。
最後の病院から帰って来ると、郵便受けには嬉しいお便り。
11月の末に写真展へお伺いした、吉年佐弥子さんから届いたものだった。
封筒の中には、吉年さんの作品写真と小さなプレゼント。
お手紙の中には、「お互い、それぞれの時間で、それぞれのペースで写真に携わってきたのですね」とあった。
互いにこの十年を想う、そんな深い再会であったように思う。
想いは、なくならない。そして、その想いが、いつ実るかは誰もわからない。
だから。わたし達は、いつでも種を蒔き続けなくてはいけない。
「たとえ世界が明日終わりになろうとも、わたしは今日リンゴの木を植える」