【夏筆記、參。】
盆休みや正月になると帰って来る。その度に、「会おう」とメールをくれる。JRの桜橋口でいつも待ち合わせる。彼女が視界に入ってくると、その瞬間に「かわいいなァ…」と思う。だけど、ここ数回は「綺麗だなァ…」に変わってきた。「元気ー?」と、クシャクシャになった笑顔を見せて、手を振ってくる。時刻はいつもお昼時で、一緒にごはんを食べに行く。お店選びも、いつも楽しく思う。優しい家族の話を聞くのが好き。THE長女。うさぎの小太郎の話を聞くのも好きだし、もちろん彼との話を聞いているのも大好き。ごはんはいつでも美味しいし、食べたり喋ったり写真撮ったり、わたし達は忙しい。なんでも半分こして、「うまーうまーッ」と連発する事も、いつも忘れない。わたしは彼女がごはんを食べているのを見るのが好き。本当の気持ちを言うのには勇気がいる。だけど、聞いてもらいたくて、上手く喋れなくて、それでも喋って、気持ちが溢れ出してきて、泣き出してしまう。抑えてきたものが、どっと出る。そうしたら、彼女まで泣いた。二人で目が真っ赤になった。わたしなんて、鼻水ぶーぶー出して、目が合って、「恥ずかしいなー、もー」とか言いながら笑う。嬉しい。彼女は、いつもわたしと泣いてくれた。家族が亡くなる時、親を想った時、そして人を好きになった時。離れているという事は、気持ちが遠いという事とイコールではないと思う。どこにいたって、元気でいれば、大丈夫だと思う。ありがとね、なお。