電話をしていたら、携帯電話のアラームが鳴って、それが夢だと気がついた。布団から出るまでの間、最近はずっとFeistだ。ほうれん草のバター炒め、オムレツ、トースト、にんじんともやしのスープ。吉田家は階段で歯を磨きます。駅までの道、NUMBER GIRL「Zegen VS Undercover」。いつも“ばり、やっばいッ”の部分だけ歌いたくなる。歌うと、ちょっと悪い声が出る。そんなふうに思っていたら、この間、友人も同じ部分だけを歌っていた。雨の中、カメラバックはずぶ濡れだ。「どこに住んでるんっすか?」「ちょっとここからは遠いです」。「そのカメラ、50万くらいするんっすか?」「いやいや、しないしない」。そうか、敬語なんだな、と思う。帰りに寄った郵便局は超満員。電車のばあちゃんは松の木を抱えている。姪との会話、「ピカちゃん、サンタ来た」「サンタ見たん?」。二歳児は黙る。久しぶりに食べたどうぶつビスケットの味は記憶と変わってる。二十五日に届いたプレゼント。「めろんちゃんは、サンタをいつまで信じていましたか?」、メッセージカードには書かれてあった。吉田家は手厳しく、サンタは一度も来なかった。自分が親になったら、がんばりたい事が幾つかある。その中に、サンタもいる。テレビの中で自分の十年後に手紙を書いていた若者の話を、母がする。「わたし、四十前だ」「わたしなんて、七十前よ」「おお、ばあちゃんだね」「ミナちゃんが四十前…」「健康なら、特に何もないですな」。廊下は寒いが、よく立ち話をする。玄関の飾りがお正月に変わってる。兄が居間で年賀状を書いている。テレビは特番ばかりだ。
クリスマスより、大晦日の方が全然寂しい。