届いた新年一通目の手紙にはエル・パソの消印が押されてある。憧れのテキサスだ。
わたしがおせちや雑煮に忙しくしている最中、彼は砂漠の中にいた。
「ミナコさん、色々な風景に出会い僕はどんどん小さくなっていくけれど、僕はどんどん幸せになってる気がします」。
同封されていた地図には、果てしない真っ白な砂漠の写真。
藤子・F・不二雄先生、天狗の抜け穴があればいいなって、わたしは何万回でも思います。
手紙が往復するには、正直三週間以上かかります。
だけど。こうして届けられる手紙が、わたしをどんどん広くしてくれるように思います。
わたしが何を出来るかはわからない。
でも。にこにこ笑っていたら、大丈夫なんじゃないかな…と、ふと思う。
福が来るから笑うんじゃないよ、笑っているから福が来るんだよ。
って、どこで聞いた言葉だったっけな。
不安で体をいっぱいにしてみても、鼻炎ですぐに頭がぽーとしてきて何を考えていたのかを忘れる。
わたしは頭が悪いです。
この頭の悪さ、たまに「ありがとう」って思う。