Sunday 13 April.












朝から雨降り。昨日が暖かかった事もあり、とても寒く感じられます。この日は楽しみにしていたDia:Beaconという、ハドソンリバー沿いに建つ現代アートの美術館へ。その前に、マンハッタンへ遊びに行くサンジーをPoughkeepsieの駅まで送って行き、そこからの出発。途中、車にトラブルが起きたけれど、なんとかこの日は走りきってくれました。赤い色をした、古いフォーカス。8時過ぎに出発をして、Diaに着いたのは10時半。11時のオープンまで、先に開いていた館内のカフェテリアでホットチョコレート。Diaはそれはそれは素敵な美術館でした。その作品の殆どが自然光で展示されていて、館内を巡っていると美術館の横を走る鉄道の汽笛が聞こえてきます。作品を所蔵するための空間だけではなくて、もっともっと作品の事を想って設計された美しい造り。頭に残るのは、Sol LeWittとAgnes Martin。作品を観ながら、彼が世界中で観て来た絵画の話しをしてくれたのもとても楽しかった。お昼を過ぎた頃から、圧倒的に館内の光の量が変わってきたので外を見ると、青空だ。美術館の庭には満開の桜。カフェテリアの方からなにやらくんくんといい匂いがしてくるので、腹ぺこな事に気がつく14時過ぎ。外のベンチで川を眺めながら、日本から持って来たきのこの山を食べる。子供の頃はたけのこの里が好きだったけれど大人になるときのこの山の方か美味しく感じるんだよ、小さい頃はあのクッキーに騙されちゃうんだ。と、彼に話す(ちなみにこの説はもう何回も彼に話している)。Dia:Beaconからまた車を走らせて、Rhinebeckという街まで。16時半からUPSTATE FILMSというシアターで映画を観る事にしました。上映の前に、近くのベーカリーでターキーのパニーニ。ハーブのマヨネーズとマスカットがサンドされてあって、美味しくて大興奮。映画は彼が一緒に観たいと決めてくれていた、「JELLYFISH」を観ました。2007年カンヌ国際映画祭、カメラドール受賞作品。イスラエル映画です。どことなくもどかしい思いを抱えたそれぞれの登場人物達が、少しずつ何かとの距離を縮めていく事が出来る、ちょっとファンタスティックでほのあたたかいストーリーでした。もちろん、イスラエル語(アラビア語ヘブライ語??)も英語の字幕もチンプンカンプンだったのだけれど…。映画の中の色にうっとりとして外へ出ると、街はもっときらめいた西日の中にありました。ここになら彼とふたりで暮らしてみたいなぁ…と、ぼんやり思う。お夕飯は憧れだったダイナーに連れて行ってもらいました。いつか見たキューピーマヨネーズの広告と同じような、ステンレスのダイナー。ビッグリするくらい山盛りのフレンチフライは、思い描いていたアメリカの食事そのもの。食べきれないけれど、とても楽しいお夕飯。お家まで帰る道、車を走らせながら、暮れていく空がずっとついてくる。車を止めて、ちょっと写真を撮ってみる。縦よりも横の方がずっと長い風景の中で、彼が立っているのがいいなと思う。わたしは自分がアメリカのこんなにも小さな(けど、大きい)町に出会えるなんて、思ってもいなかった…それはそうなのかもしれないけれど。彼と出会って、少しだけ…本当に少しだけ世界が近くなった感じ。明日の朝、ここを離れてマンハッタンへ出ます。