写真はこの一年で彼に送った手紙の切手を記録したものです。
これはほんの一部ですが、その殆どが生前に父がスクラップしていた切手帳からいただいたものでした。
その切手を、彼はいつもいつも喜んでくれました。
今ふと思うと、この一年でふたりの間を行き交った手紙は二百通を超えています。
三日分の手紙を一つの封筒に入れて投函するという事は、彼がアメリカへ行ってすぐに始めてくれた事でした。
遅くなってしまった夜であっても、風邪で寝込んでいる時であっても、テキサスやボルチモアへ旅へ出た時であっても…
一日たりとも飛んでしまう事のなかった手紙。
そんな彼からの手紙が嬉しく、わたしも毎日毎日手紙を書きました。
彼は日本へ帰って来て、こう言いました。
「僕はミナコのお父さんに会った事はないけれど、
この一年ミナコのお父さんの切手がミナコの想いを届けてくれた事に
ずっとずっと感謝して、ミナコを大切にしていきます」。
夜風が急に肌寒く感じられるようになり、秋を感じました。
シャツの襟を立てて、急ぎ足で家へと帰ります。
今夜は角の家のどんちゃんに何故だか吠えられます。
イヤホンからエレカシの“孤独な太陽”が流れます。
わたしは今こう伝えられたらいいのになと思いました。
お父さん、
わたしの彼はとてもとてもいい人です。