朝起きて、蜂蜜に漬けておいた豚肉を揚げます。シゲルさんは自転車を走らせて食パンを買いに行ってくれます。川上弘美さんのエッセイにはカツサンドの話があって、そのページに書かれた“箱いっぱいの、カツサンド。”というその言葉を辿っただけで、なんとも幸せな気持ちになれたものでした。そう、カツサンド。別に今日はピクニックへ行くわけではありませんでしたが、大阪で用事がありましたのでお弁当を持って出る事にしました。地下鉄を上がった所にあるコーヒーショップで温かい飲み物だけを購入して、少し寒すぎる公園でお昼ごはんをいただく事にします。太陽は厚い雲に覆われたまま。それでもふと顔を覗かせたとき、公園は世界が変わったかのように輝き出していきます。子供や犬は楽しそうに周囲を駆け回ります。ばらの花が沢山咲いています。色づいた木々の葉ははらはらと舞っていきます。噴水の音が寒いです。マフラーの巻き方を変えてみます。
冬はもうすぐそこまで来ているのです。