わたしのお料理番長、パン屋のえみちゃんが遊びに来てくれました。
いつもいつも美味しいお料理をご馳走になってばかりいましたから、
はじめてのおもてなしに胸がわくわくとしていました。
昨晩から下ごしらえをし、
ほうれん草のキッシュ、
ブロッコリーと麦のチーズサラダ、
かぼちゃとさつまいものサラダ(はちみつマスカルポーネ添え)、
といったメニューで、えみちゃんをお迎えします。
わたしがお昼ごはんの準備をしていると、
えみちゃんはオーブンから取り出した熱々のキッシュを切り分けてくれます。
タルト型の下に敷かれた花の鍋敷きは、
えみちゃんが引っ越し祝いにとプレゼントしてくれた物をさっそく使いました。
そして、昨晩に焼いてくれたというチーズケーキ。
甘みの中にお砂糖ではない味がしたので
「何を使っているの?」と訊くと、
ホワイトチョコレート」だと言っていました。
口の中でケーキが溶けた後に広がっていくホワイトチョコレートの甘み。
ああ…レシピを聞くのを忘れたよ、えみちゃん。
わたしはデザートに黒豆のパイを焼きました。
沢山の話をしながら、美味しくて温かくて楽しい時間です。
ずっとにこにこと、わたしの料理を食べてくれるえみちゃん。
わたしは美味しそうにごはんを食べている人を見ているのが好きです。
えみちゃん、
遊びに来てくれて、ありがとう。
花の鍋敷き、えみちゃんのパン屋のシュトレーン、チーズケーキ…
沢山の贈り物を、ありがとう。
洗い物を、ありがとう。
穏やかな時間を、ありがとう。