「今なら、もれなく僕の手はあたたかいです」
帰り道、上着のポケットに手を入れていたシゲルさんが言いました。
寒さにばかり気を取られていたわたしはその言葉にハッとして、
そっとあたたかなポケットに冷えた手のひらをお邪魔させました。
来年もふたりでいられるための努力を、
わたし達は惜しまずにいられたらと思います。