インターフォンが鳴って扉を開けると、にっこりと微笑んだ冬耳くんがお鍋と椅子を抱えて立っていました
(我が家には来客用の椅子がなく、冬耳くんは持参して来てくれたのです。そして、我が家にはお鍋用の鍋もなく…)。
それらを玄関に置くと、またすぐに自分の車へ戻って、今度は沢山のお野菜を抱えてきてくれます。
嬉しそうに受け取ったお野菜を眺めていると、全て冬耳くんのお母さんの手作り野菜だと言うので、もっと嬉しくなりました。
今日は昨年から約束していたお鍋の日で、冬耳くんは本当に沢山の食材を持って来てくれたのです。感謝感謝。
まずはコーヒーを煎れて部屋でお喋りをした後、足りない食材の買い出しに出かけました。
近くの百貨店まで冬耳くんが車を走らせてくれ、沢山の食材を買い込みます。
お鍋の日のみんなでのお買い物って、なんて楽しいんだろう。
おまけに、重くないお買い物だなんて夢みたいだ!
うちに戻ると、さっそくお鍋の準備に取りかかりました。
今夜のお鍋は昆布でだしをとり、野菜や買って来た食材を煮込んだ水炊きです
(と言うのも、シゲルさんは鍋といえば水炊きの人なので、我が家ではいつも水炊きなのです)。
三人で準備をすると、あっという間にグツグツとお鍋の中から美味しそうな音が聞こえ始めました。
タレは冬耳くんが百貨店でチョイスしてくれた、美味しそうな塩ポン酢。これが大正解!
今日もとても冷え込んだ一日でしたが、お鍋を食べ始めると体がどんどんとあたたまって、もうほっかほか。
お腹も心も満たされた夜となりました。
が、しかし。この日は、お鍋の後からが本番といっても過言ではない夜となったのです。
お鍋の後片付けが終わると、わたし達はトランプで大富豪を始めました。
はじめは久しぶりの大富豪に「わー、大富豪って楽しいなぁ♪」と浮かれ気味だったのですが、だんだんとムキになって熱中してしまい(わたしは見事な貧民続き…)、結局は四時間もノンストップ大富豪!!
おまけに、貧民が確定すると英理ちゃんがプレゼントしてくれた“高麗人参チョコレート”と“韓国海苔チョコレート”が食べられるという、スペシャルルールでした。
ひょっとすると、大富豪って三人という人数でするのが一番楽しいのかもしれない…。
たまに大富豪となり一抜けで写真を撮っていると、二人のはしゃぎっぷりにこちらの表情までが笑顔でくしゃくしゃになっていきました。
椅子の上で正座までお揃いで、わたしはこのお兄さん二人がとてもとてもいとおしかったのです。


拝啓、冬将軍様
我が家は今夜もあたたかな夜でした。