まだシゲルさんがベッドで眠っている中、朝陽が差し込むお台所でバゲットを切っているとなんとも言えない心持ちとなった。
この生活が始まるまでのわたしにとって朝ごはんの時間は何も特別なものではなかったのに、毎日は一つの交わりであっさりと変わってしまうものなのだな。
今日は午前中の間に郵便局へ行き、スーパーマーケット、クリーニングの受け取りを済ませた。
午後、シゲルさんはお台所で絵画のための木材を切り、わたしはその仕事に見とれる。
明日もし世界が終わるのだとしても、きちんと朝食を摂り、わたしはわたしの仕事をまじめにしよう。なんてな。
この生活も、もうすぐ一年を迎える。