えみちゃんと映画「南極料理人」(2009年/日本/監督:沖田修一)。
南極であるのに、あの何も起こらなかった感が何よりも素晴らしい映画でした。
心を熱くさせられるのでもなく、感動してしまうわけでもない。
けれども、油がぎとぎとで決して美味しくはない唐揚げであっても、時にあたたかな記憶に変わっていくものなのだなぁ…と、見終えた後にふと感じる事が出来ました。
この映画の登場人物達の人柄も、スクリーンを通して観ていただけで食べていないはずの料理の味も、だんだんと後から頭や舌にしゅんでくる感じがします。
ごはんを美味しく一緒に食べられる人とは、その関係性がより深くなっていくのではないだろうか。
えみちゃんの笑顔を見ながら、ふとそんな事を思ったり。
そして。わたしはいつでもごはんに一生懸命な人が好きだな、と。