シゲルさんがケーキボックスを提げて帰宅した。
思いがけずだったので不思議にしていると、十月のお休みに約束していたドライブに連れて行ってあげられなかったお詫びと言う。
ケーキももちろん嬉しかったのだけれど、こんなふうに想いをかたちにしてくれたシゲルさんの気持ちを考えて胸の奥がキュッとした。
「好き」と百回言われるよりも、「好き」と書かれた紙を貰った方が嬉しい。
大好きな英理ちゃんが言っていた言葉。
なんとなく、そんな感じなのだろうか。