鈴木啓文さん個展『中央線』(at 月夜と少年)。
紙の上に描かれた中央線沿いのスケッチには、果てしない程の無数の線。
そこには街の風景があるだけで人などどこにも描かれていないのだが、わたしはかつての誰かを思い起こす。
消えそうになりそうな線の先が、どうにも切なくてドラマチックに思えた。
そこの通りを少し入ったところで、いつも見えなくなるまで見送る。それはいつでも泣いた後で、ひどく疲れていた。
…なんて、かつて中央線沿いにゆかりのあったわたしは余計な事を思い出しながら、今日も晩ごはんの準備に焦る焦る。
(写真は鈴木さんのスケッチのシリーズでもとりわけ大好きなカードサイズの作品)