初詣。
手を合わせると、毎年変わらぬ想いが込み上げる。
シゲルさんが健康である事、自分自身が健康である事、それぞれの家族が健康である事…
いったい若かった頃の自分は何を思い神の前で手を合わせていたのか、そんな事が思い出せないくらいに。
「“笑吉”を引いた」という珍しい声を耳にしながら、シゲルさんとふたりでおみくじを引きに行く。
シゲルさんが何を引いたかは忘れてしまったが、わたしはものの見事に凶を引き、正月からシゲルさんに励まされていたのだった。
昨年と同様に境内に設けられたスペースで書き初めをして、習字用紙を風にびらびらとさせながら家へと帰る。
正月の空はいつでも高いなぁ、と。