仕事で神戸まで来ることがあったので、母を呼び出して一緒に昼ごはんを食べることにした。
今年に入ってから実家の方では色々なことがあり、母と二人でこうしてゆっくりと(ゆっくりでもないのだけれど)会うのはとても久しぶりだった。
いつものようにたわい無い会話をしていたのだけれど、そんな中、思いがけず母はわたしが気に入って持っていた鞄を汚してしまう。
その場でのわたしはぶつくさと言いながら濡れたティッシュでゴシゴシと鞄を擦っていたが、母はいつものようにのんびりと謝ったり心配したりしていた。
仕事も終えて電車に揺られながら帰っていると、膝の上に置いた鞄のシミが何度でも目につく。
げんなりとした気持ちが込み上げてくるのかと思ったら、案外そうでもなくて、不意に恋しくて寂しい想いに心を持っていかれた。
意味もわからずに、少し泣きたくなる。
ああ、マッチーの携帯電話に付いているストラップのキャラクターって、なんでいつも主役のキャラじゃないんだろうなぁ…。