“世紀のダ・ヴィンチを探せ!”国際アートトリエンナーレ2010授賞式。
激しい雷雨で始まった一日ではあったけれど、シゲルさんは銀賞を受賞。
本当にハードで弱音も吐きたくなる毎日に、ただ寡黙にひたすら描き続けたシゲルさんへの褒賞だと、想いが込み上げる。
懇親会も終えて大阪市内まで出ると、幾つかのギャラリーを廻って、京阪特急で京都まで。
朝の天気が信じられないくらいの空とリレーをし、京都に着く頃には昨夜が中秋の名月であった見事な月がお出迎え。
neutron kyotoで中比良真子さんの個展『Stars on the ground』。
会場に広がるモノクロームの世界が、これまで長い距離を移動して来たわたし達の身体に染み込んでいくよう。
そう言えばまだ中学生だった頃、家族が寝静まった家でひとり起きていると、この世界には自分しか起きていないんでなかろうか…と思うことがあった。
そんなときには決まってカーテンを開け、遠くの街灯りを見ては安心をする。
この忘れかけていた些細な気持ちを、中比良さんの絵がふわりと思い出させた。
neutronでは皆さんもシゲルさんの受賞を喜んで下さり、なんだかやわらかな想いに満たされる。
長い帰り道、「いろいろと辛抱をさせることもあるけれど、これからもふたりでがんばっていこうね」。
シゲルさんの優しい声は、いつだって簡単にわたしを頷かせてしまう。
ソソラ ソラ ソラ うさぎのダンスー
タラッタ ラッタ ラッタ〜
ラッタ ラッタ ラッタラ♪
いつか庭のある家へ引っ越して、柴犬を飼って、野菜を作って、掘り起こされて、「んもー」とか言って、家の中で絵を描いているシゲルさんを呼ぼう。
そしたらシゲルさん、きっと笑顔でわたしをなだめて、犬の頭を撫でたりするのだろうなぁ…
なんか涙出る。