雨降りの夜。迎えに来てくれたふたりの傘はライトセーバー。必要なものだけで大切に暮らしているシンプルな部屋。扉には小さなリース、以前プレゼントしたクリスマスのオーナメント、『correspond』のDM。二匹の猫ちゃんもお出迎え。モハヤが三毛にゃん、アエテが白にゃん。仕込んでくれていた干し椎茸。今夜はピェンロー。野菜を切っていく白い指先となめらかな首筋。シゲルさんが来るまでの時間に出してくれたDEMELのチョコレートと美味しい紅茶。鍋を煮込みながら、心地のよい時間。猫の舌はざらざらとしていた。四人が揃うと、ふたりが手際よくお鍋の準備を始めてくれる。シゲルさんとわたしは猫の腰とんとん。食卓に並べられた柚子大根とミニトマトのマリネはこの日のために作ってくれていて、美味しくて美味しくて、シゲルさんとわたしはおかわりまでしてしまう。煮込まれた鍋には胡麻油をたらし、部屋をいい香りの湯気が満たしていく。ピェンローはものすごく美味しかった。少し昔のこと、自分でも作ったことがあるのだけれど、その時はきちんとレシピを読まずに無味のまま食べてしまった。ああ、こんなにも美味しかったのか。少し塩っぱくなった唇が喜んでいる。とても賑やかで楽しい時間。冬が好きだと思える。せっせと食べ続けるわたし達と、せっせと二回目や〆の準備をしてくれるふたり。猫は背中にもたれて眠り、なにもかもが満たされていく。食後にはFORMAのチーズケーキ。音楽はMujika easelローラーボール口琴。起きた猫は膝の上で味わい穏やかな顔をし、いきものに悉く嫌われてきたわたしはいとおしい想いで溢れていく。ふたりも、猫も、この部屋も…此処彼処おもてなし。雨は止まずに四つ並ぶ傘。青く光ったHITACHIの文字。改札を越えても振り返り、手を振って、見えなくなり、しゅんとする。友達が多くはないわたし達ふたりを好きでいてくれるふたり。胸いっぱい。腹いっぱい。


【おまけ】
 
 
iPhoneより。愛をこめて)