夜遅く、シゲルさんが寝込んでしまう。
酷い花粉症かと思って病院へ行ってみると、風邪までひいていたのだった。
眠って眠って、鼻をかんで、また眠って…
ふと気づくとジャコメッティを読んでいて、そうかと思うとまた眠っている。
いつもより夜がうんと静かに感じられて、わたしは一人でレンタルして来たDVDを観た。
カリフォルニア州風力発電所のつらなり、もう若くはない兄弟は思い出の曲を口ずさみ、離ればなれになったとしても得ることの出来た安堵感…
この映画の感想をシゲルさんが元気になったら伝えたいな…と、閉め切られた寝室の扉をぼんやりと眺めながら思った。