朝起きるともう随分とあたたかくて、お台所で朝ごはんの準備をするのもすっかり心地のよい時間。
午前中の内に家を出て、五年ぶりくらいに松野さんのお宅へお邪魔しました。
以前訪れた時にはまだ子犬だったアルちゃんもすっかり大人びていて、ビックリするくらいお利口さんでキュートに。
松野さんが作って下さったお昼ごはんは洋食屋さんのコース料理みたいに豪華で、とってもとっても美味しかった。
思えば、男性とこんなにも料理の話で盛り上がれることもめずらしく、なんだかやたらにうきうきとしてしまう。
食後には松野さんが旅先で撮りためた写真を観させていただいたのだけれど、今でも足音をも消してしまう静けさと差し込む光の少しばかりの痛みを思い出す。
西日に誘われてアルちゃんの散歩へ出かけ、気がつくとすっかり長居をしてしまっていた。
ゆったりと普通電車に揺られて帰り、少しの長い時間を余韻に満たされる。
(息子さんにもお会いしたのだけれど、「デカーッ」と思わず心でじたばたしてしまう。以前お会いした時には、まだあどけなさの残る中学生だったから……はぁ、そら大学生となれば…ね。わたしもそれだけの歳を重ねたのだな。ホントかな……)