風呂から上がり、わたしが寝る支度をしている時間、シゲルさんは本を読みながら待ってくれている。
待っている時間。
アメリカで暮らすシゲルさんの帰国を待っていた一年間、シゲルさんの帰宅を待ちながら台所に立っている日常の夕暮れ…
出かける前の身支度の遅さにシゲルさんがわたしを面白可笑しく急かしてくる声。
待っている時間って悪いものじゃないんやなぁと、いつもふたりを感じると思ったりする。