わたし達に届けられた、小さな写真立て。
先日、まりっぺが我が家の庭で撮影してくれたものです。
八月に結婚をするけれど、式もウエディングパーティーもしないと言うと、もう十年以上もブライダルのカメラマンをしているまりっぺともんちゃんがお祝いに写真を撮ってくれたのでした。
わたしは想います。
たとえ、暗く息を潜めるように十代を生きたとしても、未来は決してそうではないということ。
悲しい体験をしたら、それはとても辛いことだけれど、自分に必要なものとそうでないものを見極める力も研ぎ澄まされていくように思います。
いつかシゲルさんは言いました。
「ミナコは何をするにも遅いから、ゆっくりと幸せになっていくんやね」と。
わたし達ふたりを撮ってくれるまりっぺともんちゃんの顔を、わたしはこれから何度でも思い出し、そうして十代よりも二十代よりも輪郭を帯びた小さいけれどあたたかな暮らしと、まだぼんやりとした永遠ではない明日に、ゆっくりと近づいていく。
いとしい。
今日、まりっぺはオーストラリアへ出発します。