朝早くに宿をチェックアウトして、まだどこのお店も開いていない時間帯だったけれど、「雰囲気を」と松本の市内観光。
民芸店やうつわのお店、ジャム屋さんなど…
「これ防犯カメラとかに映ってたらヤバいよね…」とか言いながら、外から窓に貼り付くように覗く。
9時頃にはもうレンタルカーに乗って、自宅へとただひたすらに高速道路を走った。
ゆっくりと休憩や仮眠もとりながら帰ったのだけれど、シゲルさんは十時間くらい運転を頑張ってくれる。
地元に帰り着き、いつもの店で肩を並べてラーメンをすすり、わたしは相変わらず垂れっぱなしの鼻をシゲルさんに拭われる。
どこにでもいるようだけれど、全うには生きられない。
いつもうまくいっているのか、いっていないのかがわからない。
だけど。シゲルさんが笑えば…わたしが笑えば…解決することばかり。
そんな結婚までの五年間。
そして。夫婦となって、はじめての旅。
わたしはいつまでもデレデレと鼻をすすって、ふたりで家へと帰宅した。