幾つかの悲しいハッピーエンドを知っている。
それらは残像のように胸の奥に居座って、時折心を不自由にさせたりする。
北の空にカシオペアと北斗を辿り、目立たずに光る二等星を見つけると、立ち止まりそっと願う。
どうか、わたし達を寂しくさせないで下さい。
空を仰ぎ、立ちくらんで、そして少しのため息のような深呼吸をする。
叶えられなかった約束をいくつも増やして、いつか大切にしていたものを捨ててしまうのだろう。