昨年の11月に入った頃、とっきーとまゆみちゃんの間に新しい家族が誕生した。
携帯電話に送られてくる写真があんまりにもかわいいので、シゲルさんにお願いをして車を出してもらい、年が明けてすぐに三人に会いに行くことにする。
はじめて会うふたりの息子ははちくんといい(本名はもう少し長い)、とっきーをぎゅっと小さくしたみたいで、誕生してまだ間もないというのにスーパーサイヤ人のような髪………。
まゆみちゃんはなんだか明るく、よく喋り、出産の話を楽しく聞いた。
はちくんは時折あくびをしたり、不慣れなわたし達の腕の中で居心地悪そうに泣き声を上げたりする。
人々の間に赤ん坊がいるという、あたたかく幸せな時間。
帰りはとっきーが信じられないくらい沢山の牡蠣をお土産に持たせてくれ、最後にはお祝いの気持ちでお邪魔したわたし達が逆にふたりから結婚のお祝いをいただいてしまうという…。
嬉しくて、申し訳なくて、だけどやっぱり嬉しい。
きらめいた西日を浴びて、三人は車が見えなくなるまで見送ってくれ、シゲルさんはその光景を何度かバックミラーで確認しては「いい風景だね」と言った。
わたしは車の中から三人に大きく手を振る。窮屈なシートベルト、大きな身体…
みんないつの間に大人になったのだろう。