五時間の列車に揺られ、わたし達は盆と正月に田舎へと向かう。
二泊、三泊…。そして、また列車を乗り継いで、都市へと戻って行く。
長い長い移動の中、話すわけでもなく、話さないわけでもなく、何度も大きく舟を漕ぐシゲルさんをぼんやりと眺めながら、どうしてわたしはこの人と一緒にいるのかな…と考える。
窓からの強い日差し。何度となく抜けていくトンネル。光の変化を受けて、目がくらくらとする。海は、すぐに遠くなる。
永遠ではないわたし達の身体が、またひとつの夏を越えていく。
傷跡は、ゆっくりと解きほぐされる。
答えなど知らないが、未来は続く。


ああ、よだれ垂れてるなぁ…