ふたりで京都へ。
京都造形大学で、シゲルさんの美術学校時代の先生でもあった原田要さんの展示『起源を歩く−Jomonと原田要の庭』。
原田先生の立体作品と縄文土器を並べて展示するという!なんともわくわくとする、不思議な展覧会。
照明が薄暗く保たれた展示空間で、充分な引きを持って拝見することの出来る作品は、とても艶やかで、どこか果無さを帯びていて、作品は残っていくものであるのに、束の間の幸福を観ているような…そんな素敵な展示でした。
シゲルさんは、原田先生の作品と縄文土器のコラボレーションに、異様な興奮。。。
原田先生の立体作品も縄文土器も…ずっとずっと人の手跡が残っていくということ…。
大学を出て、Prinzまで歩き(すぐ)、梅田啓介さんの写真展『100のおべんとう』展。
はじめて拝見する作家さんだったのですが、思わず写真集を購入。
例え、道ばたでつまずいてしまったって、お気に入りの服にケチャップが飛んでしまったって、どんな時だって、きっとこのお弁当を観ると楽しくなってしまう…そんな写真展でした。
あー、マッチーのひよこの押し寿司が食べたい。
Prinzから、また歩いてgallery nearまで(こちらもすぐ)。中比良真子さんの個展『Transparent room』。
今回のシリーズで描かれた風景には、普段わたし達が何気なく目にしている光景があるにも関わらず、その向こう側に見えてくる世界はどこか非日常を思わせて、現実の空間から過去へと導かれる直観的なフラッシュバックのような体験がありました。
離れてしまった人や場所に強い感情が湧き上がってくるのに、そこには決して交わることのない人々の営みや世界があって、まっさらなものが広がっている。
わたしは大切なものを見落とさないように写真を撮っているけれど、中比良さんのこの一筆一筆にその想いを強く感じて、胸が熱くなってしまった。
いつも朗らかに笑って下さる中比良さんが、こうして外と内とを見つめておられるのだなと。
それからGallery PARCへ行き、森太三さんの個展『記憶と気象』。
いつもいつも森さんのインスタレーションは圧巻の世界観だけれど、今回もその美しさに心を奪われて、思わずぼうっと立ち尽くしてしまった。
ギャラリー空間に無数の紙片でつくられた、波打ち際を思わせるようなインスタレーション
何千枚…何万枚…あるかわからない紙の断片。これらを、森さんが一枚一枚手作業でつくりあげる。
その果てない過程を想像してみると、目の前のそれは、いつの間にか出発地点だとか、ことの始りへと変わっていて、いつでもわたしははじまりの風景の中にいることに気づく。(ん。うまく言葉に出来ない…)
白色の空間に、どうしてこれほどまで色を感じとることが出来るんだろう。
壁面に並んだドローイングも、とても素敵なものだった。
わたし達はご機嫌に、それからも京都の街を散策する。
john smedleyのカーディガンの手触りと、明日の朝ごはんのための美味しいパン。
古本屋で見るシゲルさんの姿勢の悪さと、村上開新堂のロシアケーキ。
「好き」を、道筋に沿って進んでいく。