撮影で喫茶店を廻る。
三軒目には、もうお腹がちゃぷちゃぷで飲めなかった。
今日の暑さはまだ過ごしやすく助かったのだが、先日の真夏日での撮影ですっかり日に焼けた。
普段は日傘を差しているけれど、あんまり意味がないなァ…と思う。お風呂では、首がヒリリと痛みを感じる。
帰り道、中国の女の子二人に道を尋ねられる。
「一緒に行きましょうか?」と聞くと、日本語で「いいです」と答えた。
二人は何度か振り向いて、はにかみながら会釈をして去って行く。
肌は透き通るように白くて、弾むように長い黒髪が揺れる。二人のその背中を暫く見届けていると、サントリーの烏龍茶みたいだった。
駅を降り、立ち寄ったスーパーで鰻に出会う。
桶の中でじっとしているので、こちらもじっと見つめてしまう。
満月の中、桃を二つ提げて帰る。