シゲルさんが仕事帰りに買って来てくれた、サプライズのクリスマスケーキとプレゼント。
何が欲しいかと訊かれていても「何もいらない」と答え続けてきたのだけれど、シゲルさんが精一杯に考えて選んできてくれたのだった。
お誕生日でもないのにホールのケーキにはロウソクが似合うねと、引き出しの中に眠っていた小さなロウソクを立て、なんとなくふたりで吹き消した。
ボッロッボロに乾燥し過ぎているわたしの顔や肌を見かねていたのか、プレゼントはいいにおいのする保湿クリームで、これをお店で店員さんに尋ねながら購入してくれたのかと思うと、なんだか『はじめてのおつかい』を見ているような心持ちになってくる。
風呂に入り、眠る前にクリームを塗ると、翌日には肩や肘がするりとしていたのがわかった。
シゲルさんはなんともかげひなたもなく愛を注いでくれる人なのだろう。
「ありがとう」と、わたしは慣れない手付きで自分の肌を触りながらそっと思ったのだった。
そして、クリスマスプレゼントはもう一つ。
昨年に続き今年も届いた、シゲルさんもわたしも大好きな作家さんからのカレンダー。
来年もいい年になりますように。