映画『かいじゅうたちのいるところ』(2009年、アメリカ、監督:スパイク・ジョーンズ)。
待ちきれず、一般公開初日の朝一番にシゲルさんとシアターへ駆け込んだ。
とにかくかいじゅうたちがぶつかりまくって、怒りまくって、妬みまくって…
そんなふうにして100分間の魔法は呆気なく終わってしまう。
The Arcade Fireの『Wake Up』も一度も流れぬままに。
なんだかきょとんとして、きまりが悪いままお昼ごはんにサンドイッチをかぶりついていると、知らぬ間にシゲルさんと揉め事に突入していたのだった。
それは家に帰ると大げんかにまで発展して、一晩でものすごい負のエネルギーと必要な度を超えた涙を消費した。
最後にはくたくたになって、わたしはやっとこの映画の本当の素晴らしさに気づいてしまう。
「ミナコはほんとキャロルみたいだなぁ」
仲直りでそんなふうに言った、シゲルさんの優しい言葉と一緒に。
スパイク・ジョーンズ監督がこの映画にこめた想いって、きっとこういうことだったんだ。なんて。
カレン・オーが手がけたこの映画のサウンドトラックも、かわいくって、ちょっぴり荒々しくって、優しくって、最高でした。