ふたりで大阪。
a Terreへ鈴木啓文さんの個展。
今回の展覧会は鈴木さんがa Terreの店内やカフェやショップに関連したものを描いたもので、いつもの線と線が生むドラマチックさよりも、描いていく中で優しく撹拌されて出来上がったメレンゲのようなあたたかさが印象的であった。いつもとは違って色とりどりのペーパーに描かれたスケッチも、a Terreでの展示にピッタリであったのではないかと。
そのまま二階のカフェへ下り、お昼ごはんを頬張りながら(今日はおからのベーグルサンド。シゲルさんはスモークサーモンとクリームチーズのベーグル)、シゲルさんにわたしがどのくらいa Terreを好きであるかということを力説。
腹も気持ちもほくほくとさせ、シゲルさんの後輩でもあり、わたし達ふたりの友人でもある井上光太郎くんが参加している、阪急MEN'S館でのアートの企画展へと向かう。
この展覧会は、各ショップの前や通路にイーゼルを使用して様々な作家の作品が飾られているのだけれど、普段は作品が飾られるような場所ではないからか…どことなく不思議な雰囲気を醸し出していた。そんな中、コータローくんの作品は観やすく安定した配置。わたしは彼の絵を観ていると、描かれた夜の絵の余韻にどこかぞわぞわとして、それでもなんだか心地よく、今よりもまだまだ若かった頃にMDウォークマンフィッシュマンズを入れて夜の港町を歩いていたことを思い出す。
シゲルさんはアメリカへ行っていたこともあり、コータローくんの作品を観るのは実に数年ぶりなのであった。
それから本町まで歩いて、SAI GALLERYの森本絵利展。
同じ作業を繰り返すという凄みだけではなく、洗練された透明感のある見事に美しい作品。「シゲルさんの描く花畑とどっちが大変かね?」などと話しながらギャラリーを後にする。
程よい疲れを感じながら、電車の中の綺麗な女性に心を奪われながら帰宅。