中学からの友人と初めての街。
待ち合わせ場所でお互いにいつも通りの十分前行動。
友人はわたしのどんな小さな展覧会やイベントにも足を運んでくれるのだけれど、こうして話しをするためにゆっくりと会うのは実に久しぶりであった。
街の一角にあった野の花やそこに宿る虫達が描かれたタイルの壁画。
特に何もない街ではあったけれど、初夏のような高く澄んだ空と、時間に追われずにゆっくりと歩くことを楽しむというのがなんとも気持ちのいいものであった。
随分と歩き、ケーキを食べ、ソーセージの専門店へも行った。
どれ程の距離を歩いたかわからず、帰りはバスで駅まで戻ることにする。
夜のほの明るいバスの中に乗客は最後までわたし達二人。
自分が今どこにいるのか、このバスが一体どこに身体を運んでいってくれるのか…
少し歩き疲れ、なんだかよくわからなかった。