冬耳くんがドライブへ連れて行ってくれました。
とても寒いけれど、いいお天気。
ゆっくりと午後からの外出だったので、目的地へ到着した頃にはすっかり夕暮れ。
車から外へ出てみると、たちまちに北風に心が折れそうになったけれど、わたし達はゴーカートの如く駆け回り、自分の小ささやこの世界の広がりを一身に感じていました。
飴色に満ちた風景は、昔見たビデオの映像みたいで、どこか恋しくて、ずっと遠い。
帰りに立ち寄ったカフェでは夏目漱石の全集が目にとまり、こんなことを思い出しました。
「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳した夏目漱石の話です。
寒さの中で手が切れそうに冷たかったこと、あたたかな飲み物がお腹に嬉しかったこと、わたし達の身体にはこの世界がどこまでも広いのに大切な人がすぐそばにいるということ…
ああ、そうか。愛って、目に見えるんだな。
(この日の冬耳くんの日記はこちらです)