まだうんと暑い、晴れの日。
ふたりで高速バスに乗って、名古屋までやって来た。
名古屋芸術大学で開かれている、満江英典さんとリーヴェン・ヘンドリクスさんの公開制作を見るために。
夏休みの学校で制作をしている数名の学生と、その同じスペースで筆を握る二人の姿。
ただ黙って見ているだけなのに、緊張してしまう。わたしはこうした緊張を感じることが好き。
満江さんとリーヴェンさんは制作の合間を縫って、わたし達のために作品の話を沢山してくれた。
開け放たれた窓からは時折風が吹き抜けて、あっという間に西日が帰りの時刻を知らせる。
帰りのバスの中で、シゲルさんはやっぱり少し興奮していた。
そんなシゲルさんを何度か見つめては、わたしは自分が作品をつくらなくなった答えを探していることに気がつく。
それは時間をかけて、慎重に。
寝がえりを打つように窓の外を見上げると、弦月がどこまでも追いかけて来ていた。



【旅の贅沢】
・“まるや”のひつまぶし
限られた時間の中でも、どうしても味わいたかった名古屋名物。きしめん、天むす、味噌かつ、小倉プリッツ…。悩んだ末に、今回はひつまぶしを食べることにしました。ふんわり、さくさく、しゃりしゃり…あぁ、うまーい。ラブ♡ひつまぶし。