日中はまだ暑さの残る中、ふたりで京都まで出かけてきました。
Gallery Morningで田中秀介くんの個展。
新しい展開の観られた、素晴らしい展覧会でした。
新作はどこか中世のような…果てない過去と出会う感覚。
絶妙な荒々しさの感じられる勢いの中には知的さが含まれていて、作品のもつ色気について考えさせられてしまいます。観れば観るほどに、色っぽいなぁ…と。
以前、田中くんの個展を拝見した時に、川端康成の「長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった」という『雪国』の冒頭を感想にあげたのだけれど、田中くんが絵を描けば、それはたった一枚で文学となり、錯覚と思い込みに誘われてしまう。その魅力はなんなのだろう。
まだあどけなさの残るご本人を前にしていると、ただただ不思議な気分となり、何か漠然と大きなものを抱えてギャラリーを後にしました。
そこから一駅歩き、ART SPACE・NIJIで宮道知子さんの個展へ。
どこまでも曇天の中、ギャラリーまで辿り着くと、そこには眩しく感じられるほどの光のきらめき。
森の木々のようであったり、湖畔の風景のようであったり…
キャンバスに描かれたそれらは、まるで筆が旅をしているかのようでした。
曖昧に記憶された自身の記憶がふわりと持ち上がって、目をとじてもまぶたの裏に残る光と物質の結合。
素敵な空気や時間が、身体に流れ込んで来るのがわかります。
三、四年ぶりにお会いした宮道さんとは、島や森の話、絵画と写真の話などで盛り上がり、なんだか三人でとてもよい時間でした。
光と陰…まるで両極端を観たような展覧会。
それから。蹴上から四条まで歩いて、藤井大丸のくちばしニュートロンへ。
はじめて訪れた店内には、ちょうど森太三さんの作品が展示されており、喫茶スペースでは陶芸の作家さん達の作品でお茶を飲めるという贅沢な空間。
それをニュートロンの作家でもある方々がつくってくれたり、運んできてくれたりするのですから、なんだか不思議に思えて仕方がありませんでした。
けれど、烏丸御池のニュートロンが閉店した今、また京都にこうした場所が出来たというのは本当に嬉しいものです。
京都であるのに、それは「帰って来た」と思える感覚。
陶器やタブローに囲まれながら、かけがえのない時間を過ごすことが出来たように思います。



【朝ごはん】
・ハムエッグトースト
ミニトマト
・ミルクコーヒー



【晩ごはん】
・中華あんかけ煮麺(鶏ささみ、玉ねぎ、人参、白ねぎ、木耳、しめじ、青ねぎ)
・塩こぶとオリーブ油の冷や奴
・五目豆
・牛肉のしぐれ煮