確か。13歳の誕生日に、同級生のみっちゃんがプレゼントしてくれた。
それから幾度となく繰り返した引っ越しに、毎度毎度揺られては様々な家へと共にやって来た。
家が変わっても、一緒に暮らす人が変わっても、表情一つ変えずにずっとそこにいる。
そんなブルーナさんのアヒルが割れてしまった。
ショックを受けるよりも、なんだかよく理解出来なくて、呆然としたまま割れた頭と胴体と粉々になってしまったその間の破片を片付けた。
割れてしまった頭と胴体を暫く窓辺に飾っていたら、「ミナちゃん、これちょっとシュールやで…」とシゲルさんは言う。
そうなのか…と思い、1枚写真を撮って、次の燃えないゴミの日に丁寧に白い紙に包んで出した。
「さようなら」と、ゆっくり祈りながら。