ふたりで大阪まで。
シゲルさんとわたしが共に好きな作家さんの展覧会へ出かけた。
芯の強い寡黙な絵であるのに、観ているととてもどきどきしてしまう。
ギャラリーを後にしてから、ふたりでこう話した。
「いつか俵さんの作品を買いたいね」と。
その後もシゲルさんのお知り合いのグループ展を観に行き、他にも色々とギャラリーを廻って、ミナミに移動し、用事も済ませた。
遅くはなってしまったが、家に帰ってからの晩ごはん。
わたしが支度しているのを、シゲルさんはゆったりと待っている。
白くやわらかなマッシュルームがスライスされていく音を耳にしていると、なんだか無性に幸せが込み上げた。