麻美さんがお休みをつかって、シゲルさんの個展を観に来てくれました。
三人でテーブルを囲み、neutron kyotoでの和やかなお昼ごはんの時間。
こうしてわたしのお友達がシゲルさんの個展へやって来てくれるというのは本当に嬉しいものです。
午後からは麻美さんと二人で植物園まで出かけ、寒過ぎる春風に吹かれながらもたまらなく恵み深いひと時。
幾つも折り重なるように舞っていく桜の花びらを前にすると、いつでも昔のほの悲しい記憶を呼び起こすように思うのはどうしてなんだろう。
互いに何枚もの写真を撮り(わたしはその半分を駄目にしたけれど…)、小さな植物から鮮やかな花々にまで心を潤わせ、多くの風景に魅かれた時間を過ごすことが出来たのでした。
寒さに負けて二人で駆け込んだカフェで口にしたホットドリンクはもう最高で。
そして。夜は再びneutron kyotoまで戻り、冬耳くんと三人での晩ごはん。
冬耳くんと三人でのごはんの時間は、やはりいいものだなぁと思う。
あんまりにもきらきらとした目でシゲルさんの個展の感想を話してくれるので、なんだかだんだんとわたしまで上手に絵を描けそうな勘違いをしてしまい恥ずかしい。
それでも二人が絵の話しをしている光景というのが、わたしにはいとおしくて安心する。また、自分と英理ちゃんを重ね合わせ、無性に恋しくなったりもする。
帰りの電車の中。揺れに任せて眠るシゲルさんの横で、わたしは今日という素敵な一日を思い起こしながら感じました。
シゲルさんの描く風景に、ひとつひとつの空や緑や花々に、自分がこれまでにしてしまった悪いことや、誰かを傷つけてしまったことが洗われたらよいのにと。
なかったものにするのではなくて、洗われたらよいのになと。
駅から家までの道で握った手のひらは、とてもあたたかく乾いていました。